夏(KRYZLER&KOMPANY) #15

KRYZLER&KOMPANY(クライズラー&カンパニー

1994年のアルバム「SHOWCASE」収録

 

KRYZLER&KOMPANY(クライズラー&カンパニー)は

1987年に、東京藝術大学の学生だった、葉加瀬太郎、竹下欣伸、斉藤恒芳の3名で結成した「ニューエイジ・ミュージック」のバンド。

編成は、ヴァイオリン、キーボード、ベース&打ち込み。

1990年にメジャーデビューし、1996年に解散。

解散後は、葉加瀬太郎氏のソロでの活躍は言わずもがなだが、ほかの2名も有名アーティストのサポートメンバーや、作曲家、編曲家、プロデューサーとして活躍している。

 

 

この曲は、ビヴァルディの「夏」(主に3楽章)と、

J.Sバッハの「2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ単調 BWV1043」をロック調にリミックスした楽曲となっている。

 

別々の作曲家の楽曲を編曲してしまうことは、クラシック好きには邪道なのかもしれないが、原曲よりもだいぶテンポを速め、超絶技巧になってしまったヴァイオリンや、それに合いの手を入れるギターやシンセサイザー、ドラムなど、すべてがカッコいい。

私はそんなこの曲がKRYZLER&KOMPANYの中でも特に好きである。

 

この曲を聴くまでは、ビヴァルディの「夏」は他の季節の曲(春・秋・冬)に比べて暗くて苦手だったのだが、この曲を聴いて好きになった。

要は食わず嫌いだったのかもしれない。

さらに、この曲をきっかけに、バッハの「2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ単調 BWV1043」という素晴らしい曲まで知ることができてよかった。

 

KRYZLER&KOMPANYの中では割とハードな曲調なので、TVのBGMなどにあまり使われないせいか、ベスト盤やライヴ版には収録されていないのが残念だ。

 

夏

 

 

KRYZLER & KOMPANY Summer & BWV1043 - YouTube


KRYZLER & KOMPANY Summer & BWV1043

 

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余談。

ビバルディの「夏」について

 以下Wikipedia引用

 

四季」(イタリア語Le quattro stagioni英語The Four Seasons)は、アントニオ・ヴィヴァルディヴァイオリン協奏曲集『和声と創意の試み』(Il cimento dell'armonia e dell'inventione) 作品8のうち、 第1から第4曲の「春」「夏」「秋」「冬」の総称。ヴィヴァルディ自身は作品8の献辞以外でこれら4曲を「四季」と称したことはない。各曲はそれぞれ3つの楽章から成り立っており、各楽章にはソネットが付されている。これらのソネットの作者は不明であるが、ヴィヴァルディ自身の作という説もある。」

 

協奏曲第2番ト短調 RV 315「夏」(L'Estate) 

第1楽章 アレグロ・ノン・モルトアレグロかんかんと照りつける太陽の絶え間ない暑さで人と羊の群れはぐったりしている。松の木も燃えそうに熱い。カッコウの声が聞こえる。そしてキジバトの囀りが聞える。北風がそよ風を突然脇へ追い払う。やって来る嵐が怖くて慄く。ヴァイオリンの一瞬一瞬の“間”に続いての絶え間ない音の連続が荒れる嵐を表現している。

第2楽章 アダージョ稲妻と雷鳴の轟きで眠るどころではない、ブヨハエが周りにすさまじくブンブン音を立てる。それは甲高い音でソロヴァイオリンによって奏でられる。

第3楽章 プレスト(夏の嵐)嗚呼、彼の心配は現実となってしまった。上空の雷鳴と(ひょう)が誇らしげに伸びている穀物を打ち倒した。」

 

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ビヴァルディは夏が嫌いだったのかもしれない。

それが彼の出身地ヴェネツィアなのか、各地を旅したヨーロッパのどこかなのかはわからないが、「暑くて、虫がいて、嵐が来る最悪な季節」という感じである。

先日、あるクラシックのコンサートで楽曲紹介のコーナーがあり、

どの辺が暑くて、虫が飛んでて、嵐なのかを曲を弾きながら説明してくれたので、ますますこの曲がおもしろくなった。