ハンマーソングと痛みの塔 #24
日本のロックバンド、BUMP OF CHICKENのアルバム、「orbital period」(オービタル・ピリオド)収録。(2007年12月19日リリース)
作詞・作曲 藤原基央
サビから始まるメロディは、題名の通りハンマーをたたくように規則的で力強く、そして澄んだ音が印象的。
そして、独特の世界観を表現した歌詞。
歌詞↓
https://www.utamap.com/showkasi.php?surl=A02630
初めは、「捨てたくても捨てられなくて」溜まってしまった小さに痛みが、そのうちそれを集めることが目的になって、どんどん孤独になっていく。
「べつに今更辛くもないけど
誰かがみてくれたらな
これだけあれば許されないかな
少し優しくされるくらい」
見てほしい誰かとか、許してほしい誰かって誰なんだろう。
自分のことを歌われているようでゾッとする。とともにその気持ちを知っている人が他にもいたということを知って、救われた気がする。
この歌は最後、ハンマーをたたいてくれるみんなが現れて、主人公は下まで降りてこられて、聞いている方としては、ほっとする。
それが特定の誰かなら、友達や恋人になったりするのかもしれない。
でも現実には、助けは来たり来なかったり、来たとしても特定の誰かではなかったりするわけで、自分の「痛みの塔」に気づいたら、この歌を聴きながら、少しずつ塔を低くしていくしかないんだと思う。
あと、痛みの塔は自分の心のイメージ的には、サグラダファミリアのように分かれている印象。塔を1本倒したら、全体もちょっと低くなるんだけど、全部は壊れない。
基礎には「生き方」とか「人生観」みたいなものがあって、「仕事」とか「恋愛」とか「家族」とかに枝分かれしてる。
基礎の部分が一気に倒せたらいいんだけどそれはよっぽどの衝撃がないと難しくて、枝を1本1本低くしていくのに今は精いっぱい。
BUMP OF CHICKENの歌詞は、「痛みを忘れない」的な歌詞が多かった印象なのだが、高すぎるプライドとか、意固地な気持ちとか、自信のなさとか、そんなことでできた痛みをあまりにも高く積み上げて、孤独を気取るのもたいがいにせえよってことかな。
たぶん痛みの塔を高くしても幸せじゃない。
傷ついても少しずつ自分を出していって、周りの人と関わっていった先に、明るい人生があると信じてがんばろう。そんな曲。